ホロル・インターナショナル - 代官山のアンティーク・ヴィンテージ時計販売・修理専門店

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アンティークウォッチとは

アンティークウォッチのお取り扱い等についてご説明致します。

一般的に「アンティーク」という言葉は100年、あるいはそれ以上の年月を経た美術的価値のある古い道具(いわゆる骨董品)などを指す場合に用いるのですが、20世紀に入ってから発展、普及してきた腕時計はその歴史が短いため、本来は「アンティーク」という言葉で形容するべきではなく、「ヴィンテージ」という言葉で形容する方が良いのかも知れません。実際「ヴィンテージウォッチ」でも良いかと思います。日本語なら「古時計」などと呼ぶのが適当かと思いますが、それでは少々響きが良くないので「アンティーク時計」、あるいは「アンティークウォッチ」などと呼ぶようになったのではないかと思われます。

さて、そこでどのようにアンティーク時計をどう定義するのかが問題になりますが、私どもでは1960年代以前に製造されたものをアンティーク時計と呼んで良いのではないかと考えております。1970年代頃の時計はちょうど境目に当たる微妙な時期ではないかと思いますが、その年代は機械式時計が完全に成熟した時期なので、完成度が高くて魅力的な時計も少なくありません。当然電池で動くクォーツ時計はその中に含まれませんので、そのほとんどが手巻き、もしくは自動巻きの機械式時計という事になります。また、振動数の低い、いわゆる「ロービート」のムーヴメントを搭載した時計がその対象になると考えます。19世紀に作られた懐中時計は本当の意味でもアンティークと呼べますが、1970~1980年代製の腕時計はアンティーク時計と呼ぶにはまだ少し新しすぎるといって良いでしょう。


アンティーク時計のコンディション、精度

すべての時計がそれぞれ異なる時間を過ごして現在に至るため、そのコンディションは一様ではなく、それらの時計はどれもがこの世にふたつと存在しない一点物であるとお考えいただいて良いかと思います。文字盤やケースなどの外装部分の傷み、内部のムーブメントの状態など、どの時計も時間の経過と共に新品当時から比べると少なからず変化しているものです。したがって、どのような場合でもそれぞれまったくコンディション等が異なる分、古いものである以上どれも100%完璧なコンディションを維持しているという訳ではありません。

また、機械式時計の精度は絶対のものではありません。ゼンマイがほどけてゆく力を動力とした機械式時計と電池で動くクォーツ時計とでは本来持っている能力に大きな差があります。したがって、長い年月を経たアンティーク時計の中には正確さを欠くものもあります。もちろん当店で販売するアンティーク時計は実用に耐え得る事を前提に状態のより良いものを厳選し、整備した上で販売しておりますが、そもそも精度の面においては限界があるため、時間が狂わない時計を求める方には古い機械式時計をお勧めする事は出来ません。その時計の製造年代やそれぞれの状態にもよるので一概には申し上げられませんが、最大で1日に3分前後までの誤差については許容範囲としてご了解いただきたいと思います。


ご使用上の注意

古い年代に製造された時計の多くは大変繊細に作られています。現在の時計であれば、防水性を備えたものも多く、水気や衝撃にも強く、少々の事では大きな問題にはつながらないでしょう。しかしながら、私どもで取り扱っているような年代物の時計の場合、元来まったくの非防水仕様である事も多く、仮に防水型だったとしてもその性能を100%維持しているわけではありません。完全防水のダイバーズウオッチであっても気密性は劣化しており、新品当時の防水性は期待出来ないものとお考え下さい。また、衝撃にも弱く、落としたり、ぶつけたりするだけで簡単に故障を招く恐れもあります。同様に磁気にも非常に影響を受けやすく、磁気を帯びてしまった時計はひどく時間が狂ってしまう場合もあります。

したがって、こういったトラブルを未然に防ぐためにもある程度注意してご使用いただく必要があります。まず、日頃から汗や水気が時計内部に侵入しないよう意識していただくようお勧めします。特に非防水の時計であれば雨の日や夏の湿度の高い季節のご使用は控え、手や顔を洗う時などには一旦腕から外していただく様お願い致します。万一時計が水に浸かってしまったのであれば、一刻も早くオーバーホール(分解掃除)を行うなど、適切な処置をしなければなりません。そのままにしておくとムーヴメント内部に錆が広がって修理不可能になる事もあります。

落下等による強い衝撃を与える事のないよう、腕に着けたり、外したりする時には時計を落とさないように机の上などで行うようお勧めします。また、冷蔵庫や電子レンジ等の家電製品、オーディオ製品や携帯電話、コンピューターをはじめとする電子機器、強い磁気を発するテレビやスピーカーなどには故意に近づけたまま長時間放置したりする事のないよう十分にお気を付け下さい。磁気を発生させるものが常に身の回りにある現代では少なからず磁気の影響を受けてしまうかも知れませんが、少なくとも極端に近付けたままにしないようお願い致します。以上の点などに十分ご注意の上、ぜひ愛着を持ってお使いいただくようお願い致します。


保証制度について

当店で販売する商品はいずれも長い年月を経過したものです。コンディションの良いものを厳選し、さらに製造当時の精度を再現すべく整備していますが、調子の良いものでも1日に数十秒、場合によっては2~3分程度の少々の時間の狂いについてはご許容下さいますようお願い致します。

お買い上げいただくアンティーク時計には3ヶ月〜1年間有効の保証書がご用意してありますが、正常な使用状態において不具合が発生した場合にのみ適用されます。下記の場合は保証期間中であっても無償修繕の対象とはなりませんので、ご注意下さい。その他、ゼンマイ切れや巻芯が折れた場合など、部品の破損が生じた場合には保障期間内であっても部品の交換代をお客様にご負担いただく事もございます。あらかじめご理解下さいます様お願い致します。

  1. お客様の不注意で時計を落としたり、水に浸してしまった場合などの誤ったご使用方法による故障や破損。
  2. 火災、天災または盗難などの災害による故障。
  3. ご使用中に生じたキズなどの外観上の変化、損傷。
  4. 弊店が発行する保証書のご提示がない場合の無償修繕のお申し出。保証書は紛失された場合でも再発行は致しません。

前述の通り、若干の時間の誤差についてはご理解いただきたいのですが、お客様が実際に使用したところ、極端に狂いが生じた際などには遠慮なくご相談下さい。そのような場合にはお預かりして再度点検、調整致します。また、防水タイプの時計でも弊店では防水性能に関しては保証致しかねますので、あらかじめご注意下さい。(お客様のご要望があれば、別途防水テストも行いますが、年代物の場合は新品当時の防水性はいっさい保証出来ません)


メンテナンスについて

時計を永くご愛用いただく上で不可欠なのが日頃のお手入れなども含め、丁寧にお使いいただく事です。腕時計というものは身に着けて使用する道具ですから、使っていれば汚れたり、傷が付いたりするのは当然です。そこで、ケースやブレスレットの腐食などを防ぎ、きれいな状態を保つためにもこまめに拭いていただく事をお勧め致します。汚れをそのままにしておくと付着した汗などが原因でサビが発生したりして、傷みがひどくなる事もあります。セーム革や柔らかい布でこまめに磨いてさえいただければ十分です。市販のメガネ拭きなどでも結構です。また、裏蓋の細い溝やベルトの取り付け部分の隙間など、掃除しづらい箇所であれば、爪楊枝を使って汚れを取る方法をお勧めしております。

時計の種類や年代、コンディションなどによって異なりますが、ある特定の時計だけを頻繁に使う事は単純にその時計を酷使する事につながります。時計だけではなく、何にでも当てはまると思いますが、適度に使って適度に休める事が永くお使いいただくための秘訣です。長期間まったく動かさなければオイルが凝固し、稀に正常に動かなくなる恐れもありますが、現在整備の際に使用されるオイルは性質上すぐに劣化する事はほとんどありません。他の時計と上手に使い分け、厳密に申し上げると使わない時でも時々はリュウズを巻いて時計を動かすのが理想的だと言えます。数か月の間まったく使用しなかったとしても様子を見るイメージでその間に数回はリュウズを巻いて動かした方が良いでしょう。


オーバーホールについて

「オーバーホール」とは分解掃除の事で、機械式時計を使っていく上で絶対に欠かせない作業です。ムーブメントをすべて分解した後、パーツごとに洗浄し、各箇所にオイルを差しながら組み立て、調整します。細かな金属部品で構成されているムーブメントには必要な部分に適度なオイルが必要です。長い間使用していると油切れを起こす事によって各部の磨耗を進める事になり、その結果時間の遅れなどの不具合が生じるようになって正常に動作しなくなる可能性があります。

そこで、しっかりオーバーホールをしなければならないのですが、作業を行う時期が遅れてしまうと各部品の摩耗を進め、最終的には面倒な修理をしなければならない事になり、最悪の場合は修理不可能になる恐れもあります。それほど大きな時間の狂いもなく、調子が良さそうだからといってオーバーホールを怠るとそのような厄介な事になり兼ねません。

問題になるのがオーバーホールの時期なのですが、通常3年に一度は行うものとされています。一定の期間が過ぎれば、必ずオイルが切れてきたり、汚れてきたりするものです。たとえ調子が良いように思えてもオーバーホールをせず、そのままずっと使い続けるのは大変問題があります。異常を判断しにくいので、ついつい忘れがちなのですが、ただ時間が狂わなければ良いというものではありません。

ご愛用の時計を大事に使っていきたいのであれば、時計の健康診断だとお考えいただいて必ず定期的なオーバーホールに出していただくようお勧め致します。なるべく調子が良いうちにきちんとメンテナンスを重ねていく事が理想だと言えます。定期的に整備すれば、常に良い状態がキープ出来るので、その分寿命は確実に延びます。

なお、当店でご購入いただいた時計をオーバーホールのご依頼でお預かりする際は基本料金から20%ほど値引きさせていただいた料金でご利用いただけますので、是非定期的な整備の際は私どもまでご相談下さい。