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C O L U M N

 このページはホロル・インターナショナル店長の個人的主観によって作られるページで、不定期に更新されます。ご覧になった皆様のご意見、ご感想、ご質問等ございましたらEメールにてご遠慮なくお寄せ下さい。


第18回「磁気に要注意」(2/12/2001)
私たちは年代物の機械式時計を販売しています。残念ながら、故障が絶対にあり得ないなどという事は決して言えません。むしろ、どの時計もトラブルを起こす可能性を持っているものなのです。例えば10本のアンティーク時計を販売、もしくは修理した場合、そのうちの1〜2本かは何らかの不具合が発生するかも知れないという事が言えます。簡単なところでは、針が外れてしまったり、リュウズが取れてしまったり、風防が取れてしまったりなどといった初歩的な問題が起こる場合がほとんどですが、そういった簡単なトラブルを含め、何らかの不具合が出てしまう訳です。もちろん、そのような事がないよう注意してはいますが、どうしても前述のような不具合の発生をゼロにする事は難しく、そのせいでお客様にご迷惑をおかけする事もあります。しかしながら、お客様自身のご注意で回避できるトラブルもあります。実はつい最近、複数のお客様から同じような相談を何度か受けました。弊店で販売した時計や修理でお預かりした時計のその後の不具合なのですが、お客様はどなたも「ひどく時間が狂う」との理由でご持参になりました。

原因はどれも「磁気」によるものでした。具体的な状況についての説明はしませんが、どのケースもこちらからのご注意が足らなかったせいで起きたのではないかと感じました。そこで、この場を借りてご覧の皆さまに警告させていただきたいと思います。もちろん、中には十分ご承知の方もいらっしゃるかとは思いますが、簡単に説明致します。現在の暮らしでは磁気を発生させるものが身の回りにたくさんあります。それこそ、当たり前の話で挙げればきりがありません。当サイト内の「アンティーク時計とは」のページでも少し触れていますが、かなり多くの人々が磁気に囲まれた中で生活をしていると言って良いのではないでしょうか。自宅では家電製品、職場でもコンピュータをはじめOA機器がすぐ側にある状況で暮らしている人も少なくないはずです。

国民の半数以上が持つようになったと言われる携帯電話などはその良い例ではないでしょうか。携帯電話を使用する際には電子レンジの中と同じ位の電磁波が飛び交うらしく、人間の脳や身体への影響も問題になっていますが、当然時計への影響も無視出来ません。以前あるお客様から同じように時間の狂いが出るとの事で相談を受けた事がありましたが、その時のお客様はいつも腕時計を外し、携帯電話と一緒に机に並べていたそうです。これでは、正確に動くはずがありませんが、いったんお預かりして磁気抜きをしてご返却差し上げました。どんな場合でも必ず磁気抜きをすれば、良くなるとは言えませんが、急に時間の誤差が生じるようになった時は大抵の場合は磁気が原因だと考えて良いかも知れません。

年代物の機械式時計をお使いいただく際の注意点は主に以下の三つに絞られます。よくご存知かと思いますが、まずは「水」です。特に非防水タイプも少なくありませんから、絶対に水がかかったり、時計そのものが水に浸かってしまったりする事のないよう注意していただく必要があります。これは防水型のものでも同じような事が言えます。本来生活防水タイプだったとしても、製造年代が古ければ古いほど劣化しているものとお考えいただくようご説明しています。完全防水のダイバータイプでさえも、古いモデルに関してはわざわざ濡らしたりしないようお勧めしています。それくらい水気が機械式時計の大敵なのです。次は「衝撃」です。うっかり落っことしたり、ぶつけたりしただけで簡単に故障する事があります。これはアンティークだろうと現行品だろうと同じ事が言えます。よく丈夫だと言われているロレックスであっても機械式である以上、他の時計と同じように繊細なのです。手が滑ってほんの数十センチ程度の高さからテーブルに軽く落としただけでも壊れる時は壊れてしまうという事です。

そして「磁気」です。これは落下させて故障した時ほど面倒なトラブルではありませんが、一度磁気を帯びてしまって狂いだした時計はそのままでは直りません。磁気抜きをしてやらなければなりません。今このページをパソコンを利用してご覧いただいているはずですが、そのパソコンも磁気を発生させています。とにかく身の回りには時計に悪影響を及ぼすものが沢山あるという事です。どんどん世の中が便利になっていく一方で腕時計を使う事に関しては不便になってきているという訳です。こんな時代になってしまうと磁気の影響をまったく受けずに暮らしていく事はまず不可能かも知れませんが、その影響を最小限に押さえる事は出来ますし、時計が磁気に犯されないよう注意する事は可能です。とにかく故意に時計を磁気の発生源に近づけたりしないようお気をつけ下さい。磁気によるトラブルをあらかじめ回避する方法はそれしかないはずです。周りを見渡してみて、変な場所に大事な時計を置いていないか確かめてみてはいかがでしょうか。



第17回「大雪警報」(1/27/2001)
明けましておめでとうございます。本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。一月も終わりに近づいているのに随分と遅い挨拶になりますが、新年最初の更新なので、このご挨拶で始めさせていただきます。このコラムのページもスロウペースながら、何となく続けています。わざわざ読んで下さっている方も自分が思っている以上にいるようなので、もっとまめに更新しなければといつも思っています。ここで取り上げようかと考えているアイデアはそれなりにあるのですが、なかなか実現させる事が出来ていません。今後もひとつ長い目でお願いします。

しかし、今日は外の景色がすごい事になっています。雪です、雪。大雪です。東京では雪が降る事自体がめったになく、降ったとしても大抵は積もったりはしません。先週末も土曜日に雪が降りましたが、翌日にはほとんど消えていました。ところが、今日の雪はどうも違うようです。深夜から明け方にかけて降り始めたようですが、ご覧の画像のようにいつもとはまるで異なる風景になってしまっています。この様子だと明日は雪かきです。確か3年ほど前にも相当な雪が降った事がありましたが、その時以来の大雪になりそうな気配もします。

結局それほど降りませんでした。 3年前の1月に何度か雪が降った時は確か午後降り始めて夜には街中が完全な雪景色に変わっていました。ちょっとした坂や橋の上では登れなくなった車が立ち往生していたり、電車が止まったりしていました。東京の交通機関の雪に対する適応力の低さがニュースなどでも話題になりました。雪に慣れていない人間は雪が降ると満足に歩く事も出来ません。それにしてもこの調子だと今回の雪も相当な影響を与える事になりそうです。今回も心配です。今日はしばらく雪が降り続きそうですが、ラジオの天気予報によると明日は晴天になるとの事。本当でしょうか?外に眼を向けるとまるで吹雪のようです。

さて、ここで一応時計に関する話題を少々。現行品の話題では以前もこのページで触れた事のあるロレックスのデイトナが何かとネタになっているようですが、最新の「世界の腕時計No.49」を見ていて気が付いた記事にちょっとだけ注目してみたいと思います。みなさまご存知だとは思いますが、同誌は腕時計の専門誌として長く出版され続けている長寿雑誌です。アンティークものの時計に関する情報も多く提供してきました。この数年は現行品の特集がほとんどなので、寂しい限りですが、現行品を知る上では大変有効な情報元だと思います。今回はセイコーのクレドールを大きく取り上げています。最初の方のページで新製品情報などをまとめて紹介するページがあるのですが、そこに気になる話題を発見しました。

Patek Philippe 96 パテック・フィリップに関する記事なのですが、内外価格差をなくすべく定価の見直しを行ったといった内容で、それとは別にRef.3796が製造中止になるとの記述も小さくありました。Ref.3796といえば、往年の名モデル96タイプの後継機種として親しまれています。パテックならではの魅力を持つデザインは多くの人々に好まれています。一見すると小さ過ぎるように見えますが、実際には上品でほど良いサイズをしています。派手さはないが、飽きのこない均整の取れた時計らしいデザインはまさしくエヴァーグリーンな要素を持った一本だと言えるのではないでしょうか。パテックの定番モデルとして評価も高かったのでしょうが、記事によると新しいモデルが発表されるのに伴って製造中止になるとの事です。パテックの時計は最近では個性的な一風変わったデザインのモデルも少なくありませんが、基本ラインはシンプルなタイプのはずです。実際にはどうなるのか分かりませんが、恐らく次に新登場するモデルもほとんど同じデザインなので、生産を打ち切る事になったのでしょう。それにしても、まさか製造されなくなるだなんて思ってもいなかったので、何となく少し残念な気がします。しかしながら、絶対の自信を持つパテック・フィリップだからそのような決断を下す事が出来るのでしょう。

最後にちょっとした告知です。世界の腕時計にも案内が掲載されていますが、来月東京銀座の松坂屋で開催される「第10回世界の腕時計博」への出店が決まっています。日本国内の専門店が集まって行う一大イベントです。あらためて最新情報のページに詳細をご案内致しますので、どうぞ宜しくお願いします。



第16回「20世紀に感謝」(12/26/2000)
大変です。今世紀もついにあと数日となってしまいました。「だから何だ?」という気もしますが、やはりどこか感慨深いものがあります。やたらと慌しくあっという間に一年が過ぎていくのも驚きなのですが、「2001年」という未来を表す上でのキーワードになっていた年が目前に迫っている事の方が驚きです。子供の頃、宙に浮かぶ自動車がビュンビュン走っていたり、宇宙旅行が出来たりするのではないかと思い描いていた21世紀がついにやってくるのです。今世紀は目まぐるしく世の中が変わってきました。宇宙の歴史から見ればたった100年なのでしょうが、我々人類にとっては実に中身の濃い100年だったはずです。

今世紀には世界中を巻き込む大きな戦争が二度もありました。今でも世界のあちこちで民族紛争などが続いていますが、それでも冷戦時代が終わるという大きな平和的事件もありました。世界中がさまざまな変化を遂げる中、日本でも戦後は高度経済成長期を迎え、人々の暮らしはどんどん豊かになってきたわけです。その後ピークを迎え、不景気な昨今ではありますが、多くの人々が何となく幸せに生活しています。だいたい10年前には携帯電話を持っている人はほとんどいなかった事を思い出すとつくづく世の中が急速に変化してきたのだという事を痛感します。100年前の日本では洋服を着ている人すらほとんどいない時代だったわけですから、この100年間で人間の生活はまるっきり変わってしまったという事が分かります。衣、食、住はもちろんその他の分野でも100年前の人々が見たらビックリするであろう事が現在ではすっかり当たり前のようになっています。

20世紀の時計はどうだったかというと、やはり確実に発展してきた100年でした。100年前は携帯用の時計といえば懐中時計以外にはなく、その頃は腕に巻くという発想自体がなかった訳です。腕時計という道具は今世紀になって普及し始めたので、その歴史も興味深いものがあります。これは時計だけではありませんが、その進歩に大きな影響を与えたのが、戦争でした。戦場で戦う兵士達のためにそれまでの懐中時計を改良して、腕に着用出来るように作られたのが腕時計の始まりだったと言われています。防水性の高い時計、時刻合わせの際に秒針が止まる時計、回転ベゼルがついている時計など必要に応じた時計が次々に作られ、そのノウハウが市販の腕時計に応用されていったのです。ちょっと恐ろしい事のように感じますが、時計に限らず戦争がその後の人々の暮らしに便利さをもたらす事も少なくなかったわけです。

機械式時計に代わって電池を用いた画期的なムーヴメントを搭載した時計が登場したのは今世紀の一大事件でした。ハミルトンのエレクトリック、ブローバのアキュトロンと続いたあとのクォーツ時計登場はそれまでの時計の歴史を一気に覆してしまうような大発明でした。時計の歴史の中で精度の問題は長年に渡る大きなテーマでしたから、非常に高い精度を誇るクォーツ時計はゼンマイで動く機械式時計をいとも簡単に追い越してしまいました。それからはみなさんご存知の通りで、機械式では考えられないような超複雑時計がクォーツ式では低コストで大量生産が可能になりました。つい最近のハイテク腕時計の中にはデジタルカメラがついたものまで登場しています。それが良い、悪いなどという問題は別として、それが物凄い進化である事は否定出来ません。携帯電話やパソコンのような機能を持った腕時計型端末が登場するのも時間の問題なのではないでしょうか。ウルトラ警備隊ばりの装置を誰もが使うようになる日もかなり近いのかも知れません。

革新的な変化を遂げる一方で一度は衰退し、忘れ去られそうになった機械式の時計が再評価されだしたのは20世紀の終わりにさしかかった時計を取り巻く状況が迎えた大きな転機でもありました。国産ブランドが新しい機械式モデルを発売したり、現行スイスブランドが活発な動きを見せたり、一度は消えてしまった老舗ブランドが復興されたりなど、さまざまな出来事はどれも記憶に新しく、喜ばしく感じます。来たるべき21世紀の新しい機械式時計にもかなり期待出来るのではないでしょうか。

最近は携帯電話に時計の機能がついているため、腕時計を着けないという人が増えているそうです。そんな中、誰が使っていたかも分からない古い時計をわざわざ使う必要性はまったくありません。ましてやどれもが決して使いやすい訳ではなく、むしろ取り扱いには慎重になっていただく必要もありますし、故障する可能性も含んでいます。興味がない人にとってはまったく理解出来ないのかも知れません。しかし、私どもで取り扱っているような年代物のアンティーク時計はその多くが大変魅力的ですし、21世紀になっても使えるのだという事をもっと伝えたいと思っています。私どもは商売として古時計を販売していますが、その一方で何十年も前のユニークな時計がこの世に形を残していて、しかも十分使えるという事をより多くの人に広めるという一種の啓蒙活動をしているとも考えています。過去に作られたそれらの時計がデザインも含め、色褪せる事なくいまだに魅力的であり続けているという事はそれだけ良いものが多かった証拠でもあります。ある程度の状態が保たれていて、きちんと整備されてさえいれば何十年も使えるのだという事やその素晴らしさを理解していただきたいのです。

単に自己満足のためですから、その時計を所有し、また身に着ける事でどれだけ気分良く過ごせるかが最も重要です。ですから、何とも言えない味のある個性的な時計をもっと気軽に、楽しんでいただきたいと思います。これからもこの世にふたつとない魅力ある古時計を当ホームページをご覧のみなさまにどんどん紹介していきたいと考えています。21世紀を迎える来年も弊店なりの基準で良いと判断出来る時計を多数取り扱っていきたいと思いますので、今後もより多くの方々に興味を持っていただければ幸いです。そのためにもどんどんインターネットを利用していただくのが理想です。

弊店のホームページも開設からずいぶんと月日が経ちました。私どもの店を知っていただくきっかけになればという思いで、小さなIT革命を起こすべくスタートさせたのがちょうど丸2年前です。それからはより魅力的なサイトにすべくコツコツと試行錯誤しながら手を加え、少しずつコンテンツも増やしました。おかげで今年もこのサイトがきっかけでご来店下さったお客様も増えた気が致します。私が初めてパソコンを買ったのが3年ほど前で、今や自力でそこそこ使いこなせるようになりましたが、先日は気のゆるみのせいかコンピュータウィルスが原因でとんでもなヘマをやらかしてしまいました。すべて初期化させてから必要なソフトをインストールさせ、さらに面倒な設定をやり直す作業にはウンザリでしたが、とてもいい経験になりました。多くの魅力ある腕時計も20世紀の発明品で、同時に遺産だと思いますが、パソコンやインターネットも我々人類にとって大発明で、欠かせないものになった事に違いありません。来年もより一層の内容充実を目指し、新たな企画も検討中なので、21世紀の当サイトにもどうぞご期待下さい。

最後にこのホームページをご覧のみなさま、弊店をご利用下さったお客様に感謝の気持ちを込め、厚くお礼申し上げます。1年間どうも有り難うございました。新世紀も変わらず弊店をご愛顧下さいますよう宜しくお願い致します。最後になりましたが、みなさまのご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。

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