このページはホロル・インターナショナル店長の個人的主観によって作られるページで、不定期に更新されます。ご覧になった皆様のご意見、ご感想、ご質問等ございましたらEメールにてお寄せ下さい。
第43回「紛失の恐怖」(3/27/2005)
そういえば昨年の秋頃なのですが、こんな事がありました。以前から私どもの店を何度かご利用いただいている馴染みのお客様から数年前にご購入いただいた時計のオーバーホールのご依頼で1本のオメガお預かりしました。
ご購入いただいた時も大変状態の良い時計でしたが、その後も丁寧にお使いいただいている事がすぐに分かりました。風防の小傷が多少あるだけで、その他は目立つ使用傷もなく、まるでご購入時とほとんど変わらないような状態でした。特にご使用上不具合をお感じになる事もなかったようで、オーバーホール自体も問題なくスムースに作業出来ました。ところが、運悪くご返却して間もなくゼンマイが切れてしまいました。
ご承知の方も少なくないかと思いますが、機械式時計を動かす上で動力源となるゼンマイはいわば消耗部品で、時には何の前触れもなく切れてしまう事だってあるのです。昔のゼンマイと比べると格段に強く、切れにくくなっていますが、それでも絶対に切れないわけではありません。仮に切れなかったとしても劣化して力が弱くなってしまえば、本来の機能を果たす事が出来ません。そうなれば、当然交換する必要が出てきます。ゼンマイがあくまで消耗部品であるというのはそういった理由からなのです。
話を元に戻します。いったんはご返却した時計でしたが、ゼンマイが切れてしまえば、正常にお使いいただく事は出来ません。もう一度お預けいただくようお願いしました。しばらくして再度ご来店いただき、お預かりしました。こういった場合、ゼンマイの交換費用は別途頂戴しています。オーバーホールの作業を行った時点ではゼンマイは切れておらず、また特に交換の必要もありませんでした。その後たまたまゼンマイが切れてしまったのですが、どういったタイミングで切れるのかは誰にも分かりません。余分な費用が発生するような形になってしまうので、お客様には申し訳ないのですが、料金は別途お支払いただかなければなりません。
とにかくもう一度お預かりしてゼンマイ交換を行い、作業の終了後そのお客様に電話で連絡しました。ところが、ずいぶん経ってもなかなか引き取りに来ていただけませんでした。お客様の都合でお仕事が忙しければ、当然すぐに来店出来ない事だってあるでしょう。さほど気にしていませんでしたが、年末が近づいてきていたので、出来るだけ年内に返却差し上げた方が良いだろうと思い、12月のある日、再度携帯電話に連絡してみました。しかしながら、電話には別の方が出て勤務していらした会社をすでに辞職されているとの事でした。こちらでうかがっていた携帯電話の番号はその会社のもので、つまり仕事専用だったのです。
連絡手段がなくなってしまい、途方に暮れそうになりました。なぜならご自宅も引越しなさっていて、こちらで以前から存じていたご住所とは変わってしまっていたからです。しかしながら、冷静に考えてみると新しい住所を教えて下さっていたようで、調べてみたところ、住所録に転居先が記録してありました。そこで、なるべくお早めにお預けいただいている修理品を引き取りに来ていただくよう、一言添えて年賀状を出しました。
新年が明けて営業を開始した途端、そのお客様から電話がかかってきました。当店で再度お預かりした事をすっかり忘れて、なくしてしまったと勘違いしていたとの事でした。それまでのお仕事をやめたりと慌しい日々が続いていたそうで、どういうわけか記憶が曖昧になり、ご家族で行かれた旅行先で紛失したものと思い込んでいたのでした。かなり気に入って使って下さっていた時計だったらしく、相当がっかりしていたそうですが、当店で保管していた事が分かり、相当喜んで下さいました。
普通ならまず起こらないようなちょっとおかしな話ですが、その時計は無事持ち主の元へ戻り、一件落着となりました。私もホッとしました。
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第42回「良縁」(2/26/2005)
今月もそろそろ終わりです。2月は普通の月よりも日数も少ないので、早いのは当然といえば当然ですが、毎年この時期にデパートの催事出展の仕事もあるせいか、いつもあっという間に過ぎていきます。
何にでも当てはまる事だとは思いますが、我々が扱っているような古い時計との出会いも一期一会。まさに「縁」があって成り立っているのだと常々感じます。ついこの間来店されたお客様のお話なのですが、先日のデパートの催事会場でちょっと気になる時計があったそうです。値段もなかなか高額だったそうですし、よほどでなければ購入する事はないだろうと思いつつ、会場をもう一回りしてきてもう一度よく見ようと思っていたとの事。ところが、その方が会場を一周して目当ての時計が並んでいたショーケースの前に戻ってきた時にはすでにその時計は売れてしまっていたのだそうです。
我々販売する側の人間もそういった「縁」を感じながら商売をしています。年代が古いわりに珍しくて素晴らしいコンディションの時計に出会えた時は何とも言えない気分が味わえます。特に海外に出かけた時など、まるでゴミの山のような時計の中からとっておきの一本に巡り合えた時などはこの上ない感動がこみ上げてきます。(ちょっとオーバーですが)
一度買い逃した時計と同じか、非常によく似たタイプのものと再びお目にかかれたり、あるいはそうでなかったり。ずいぶん前からずっと気になっているのになかなか仕入れるチャンスがない時計だってたくさんあります。ほんの少し気になる部分があったせいで、ちょっと考えているうちにチャンスを逃してしまったりする事もあります。本当に「縁」に支配されている気がしてなりません。こういう場合は縁がなかったって事だと思いますが、縁があってもなくても一点物の世界だからこそ、面白いものなのかも知れません。
しかし、よくよく考えてみると我々の仕事はお見合い相手を引き合わせる仲人役のようなものですねぇ。いい出会いをご提供出来るよう頑張ります。
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第41回「早くも2005年」(1/31/2005)
あっという間に新年が明け、気がついたら1月も終わろうとしています。それにしても大きな災害や嫌な事件も多く、以前にも増して不安な世の中になってきている気がしてなりません。自分の身の回りだけでなく、世界中が少しずつでも明るくなって欲しいものです。
当店では今までと変わらず、今年も出来るだけ魅力ある良い商品をご紹介出来るよう努力したいと思います。そうは言っても年代物時計は仕様やコンディションや仕様など、色々ですから、珍しくて美品ばかりをたくさん集めるのは結構難しいのですが、これからもお客様にご満足いただける商品を取り揃えるよう意識していきます。
さて話は変わりますが、当店から撮影用に何点か商品を提供して協力させていただいた映画「北の零年」が公開中です。すっかりハリウッドスターの仲間入りした渡辺謙氏が主演する作品で、あの吉永小百合が久しぶりに出演した事でも話題です。実はこの作品の撮影用に懐中時計を貸し出しさせていただきました。
先日その映画を観に劇場へ行かれたというお客様から「本編の終了後、エンドロールが流れている時におたくのお店のロゴが映っていたような気がしたが、あれはそうだったのか?」というような内容のご質問いただきました。間違いありませんが、それほど大きく映るわけでもないでしょうから、よく気付かれたなぁと思いました。私自身はまだ観ていないのですが、招待券をいただいているので、是非鑑賞したいと思っています。
別の話題になりますが、2月に入ると銀座松坂屋で開催される「第14回世界の腕時計博」への出展予定もありますので、これから何かと忙しくなります。この催しは出展業者の数も多く、1年のうちに開催されるイベントの中では最大級のものです。わざわざ遠方からお越し下さるお客様もいらっしゃるので、それなりに気合も入りますし、日頃あまりお目にかかれないお客様や同業者の方ともお話出来たりする点も魅力です。
それから、トップページでもご案内していますが、催事出展の前にしばらく営業をお休みさせていただきます。わずかな期間ではありますが、商品を買い付けるため海外へ出かけます。何かとご迷惑をおかけする事になるため、申し訳ありませんが、どうかご容赦いただくようお願いします。いずれにしましても今後とも乞うご期待です。
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