古いロレックスの手巻きモデルの中では比較的ポピュラーな代表的モデルのひとつがこのスピードキングです。小ぶりなサイズ感のケースは当時のスタンダードなスタイルですが、どことなく可愛らしいこういった雰囲気こそアンティークウォッチの一番の魅力ではないでしょうか。女性にもおススメの一本です。

ステンレススチール製のオイスターケースは防水型のスクリュウバックで、リュウズはねじ込み式が採用されています。現在は新品当時と比べて気密性が落ちていますから防水性能は保証しかねますが、古くからこのような仕様で腕時計を製造していた点がロレックスの最大のアイデンティティではないかと思います。全体的に細かな傷などの使用感がありますが、オリジナルシェイプがしっかり残っており、自然な風合いが感じられるコンディションです。文字盤や針は製造年代相応の経年変化による傷みが見られますが、著しいダメージではなく、むしろ年代物らしい雰囲気が漂っているように感じます。

ムーヴメントはロレックスの手巻き式としては最も標準的な機種のひとつが搭載されています。いわゆる出車式が採用された極めてシンプルな作りのムーヴメントで、当時は数多くのモデルに採用されていたものです。手巻きムーヴメントのお手本のひとつのような機種ですが、まだ耐震機構が備わっていない年代のものなので、当然衝撃等に対する注意が必要です。入荷後には当店で整備を行っており、もちろん動作は良好です。