オメガの代名詞的存在の「スピードマスター」シリーズで最もカラフルで特徴あるデザインが採用されたタイプがマークIIではないでしょうか。このグレーダイアルには鮮やかなオレンジ色が目を引く針が取り付けられ、大ぶりなケースとの組み合わせでとても存在感溢れるルックスになっています。

ケースは再仕上げ済みなので、いわゆる完全な新品当時のままの状態ではありませんが、本来のシェイプを崩す事もなく、放射状に入ったオリジナル同様のヘアラインが再現されている他、裏蓋のシーホースも残っており、大変美しく仕上がっています。文字盤は当時からのもので、夜光部分の剥げている箇所があったりとじっくり見るとわずかなダメージはありますが、十分なコンディションだと思いますし、何より補修パーツに交換されていない点は魅力です。タキメーターが外周部分にプリントされた専用のミネラルガラスには少々の傷がありますが、さほど気になりません。

手巻きムーヴメントの"Cal.861"は他のスピードマスターに搭載されるものと同じで、現在もほぼ変わらず製造されている完成度の高いクロノグラフムーヴメントのひとつ。ピンクにメッキ処理された美しい仕上げは古いオメガならではの特徴です。オーバーホールも済ませ、快調に動作しています。ブレスレットのコマは十分揃っており、手首周りが19~20cmくらいまでの方であれば、問題なく装着可能かと思います。

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