イギリスの空軍で採用していたハミルトンのクロノグラフをご紹介致します。秒針と分積算のみレイアウトされた、いわゆる「二つ目」のクロノグラフで、視認性の高いマット仕上げの黒文字盤と太めの針が特徴です。レマニアやCWCなど、同じようなスタイルのモデルも存在していますが、同様に左右非対称のケースデザインもポイントです。

ケースはスクリュウバックの防水型。全体的に使用に伴う傷や腐食の跡も見られますので、状態的には決して美品とは言えませんが、まずまずではないでしょうか。裏蓋にはブロードアローや製造番号が刻印されています。ミリタリーウォッチらしい艶消しのブラックダイアルは目立つようなダメージはなく、十分な状態をキープしています。白くペイントされた針は修正されている箇所もありますが、おおむね良好です。長短針の夜光部分は今回メンテナンスする際に入れ直しました。

手巻き式のクロノグラフムーヴメントはバルジューの"Cal.7733"を搭載しています。カム式が採用され、コストを抑えた大量生産仕様のムーヴメントのため、年代物特有の作り込みの良さは感じられませんが、一方でメンテナンス性の高さが魅力でもあります。このハミルトンだけでなく、他のメジャーなメーカーが手がけたクロノグラフでも数多く採用されていたムーヴメントのひとつです。ベルトの取り付け部分は固定式のバーになったタイプのため、NATOタイプのストラップを装着しています。

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