セイコーのダイバーウォッチをご紹介致します。よく「植村直己モデル」などと呼ばれているセイコーのダイバーとしては2代目にあたる機種でその中でも後期に該当するモデルがこちらです。伝説的な冒険家が愛用した事で知られる注目度の高い一本。

ステンレススチール製のケースは防水型のスクリュウバック。発売当時150メートル防水を実現した本格的なダイバーウォッチではありますが、いわゆるねじ込み式リュウズでなく、独自のロック機構が採用されています。現在ではその防水性能は保証出来ませんが、普段使いには十分ではないでしょうか。ケースは左右非対称で、4時位置のリュウズにはガードがついた左右非対称のデザインになっています。一部に傷がありますが、全体的には大変コンディション良好です。オリジナリティ溢れる文字盤のデザインと合わせて個性的なルックスが魅力。ミネラルガラス特有の細かな傷がついていますが、光の当たり具合でわずかに気になる程度でおおむね良好な状態をキープしています。

自動巻きのムーヴメントは「マジックレバー」と名付けられたオートマチック機構が採用されたものが搭載されています。ローターの回転もスムースで巻き上げ効率が良い点も特徴で、リュウズを引き出すと秒針が停止するセコンドセッティングの機構が組み込まれています。手動での巻き上げが出来ない設計になっているため、その点については少々不便さを感じますが、自動巻きである事を強調するためにあえてそのような仕様にしていたようです。海外のメーカーが手がけたものとは異なる方向性で作られ、セイコーならではの魅力を持ったモデルです。店頭に並べる前に当店で整備を行っており、調子良くお使いいただける状態になっています。