グリュエンのカーヴェックスといえば、アメリカの角型時計の代表的なシリーズのひとつで、手首にフィットするようにカーブしたケースデザインがその名前の由来です。本商品は何かと人気が高く、比較的入手しづらいロングサイズのケースが魅力の一本。

14金張りのケースは非防水のスナップバック仕様。全体的に傷もあり、決して状態良好では言えないかも知れませんが、1930年代後半の製造である事を考慮するとまずまずのコンディションではないかと思います。文字盤はオリジナルではなく、レストアされていますが、大変雰囲気良くきれいに修復されています。何といってもこの縦長のケースはどことなく色気が感じられ、実にオシャレです。

「カーヴェックス」とはケースデザインに合わせて内部のムーヴメントもカーブしている点が最大の特徴です。かつて数多くのブランドで角型時計を製造していましたが、ムーヴメント自体がカーブしているのはグリュエン独自のもので、地板やブリッジがすべてカーブしており、それに合わせて輪列もレイアウトされています。グリュエンはアメリカの時計メーカーですが、搭載されているムーヴメントはスイスで製造していたため、そういった部分がハミルトンやブローバなどとは大きく異なる点でもあります。

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