アメリカの時計メーカー「ハミルトン」が手がけた角型モデルをご紹介致します。ミルトンと名付けられたこのモデルはやや控えめなデザインに美しい仕上げで評価の高い手巻きムーヴメントを搭載した一本です。

14K金張りケースは非防水のスナップバック仕様。ケース9時側の側面に裏蓋の開閉時についたと思われる傷があり、その点だけ少々惜しいのですが、それ以外は全体的に十分なコンディションです。ほど良くデコレーションされたラグが目を引きますが、比較的シンプルで使いやすそうなケースデザインです。偶数のみ数字がレイアウトされたデザインはハミルトンの他の角型時計でも見るスタイルのひとつです。文字盤や針に目立つダメージは見当たりません。

手巻き式のムーヴメントは古今東西の角型の中でも傑作と呼ばれることも多い"Cal.982"を搭載しています。美しいストライプがブリッジ全体に描かれていて、このように見えない部分にも手間をかけている点がポイントです。様々なジャンルで作りが大味などと言われることの多い米国製品ではありますが、かつての時計製造に関してはあまり当てはまらないように感じます。メンテナンス済みで、もちろん動作も十分です。