レヴュー・スポートの珍しい手巻きモデルをご紹介致します。一見するとさほど個性のないごく普通の1950年代頃のデザインですが、クロノメーター仕様の特殊な微調整機構を備えた手巻きムーヴメントを搭載している点が特徴で、"Centenaire"というモデルで採用されたものと同じレアなムーヴメントが最大のポイントです。

ステンレススチール製のケースは防水型のスクリュウバック。全体的に多少ポリッシュされているようなので、完全なオリジナルコンディションではありませんが、おおむね十分な状態ではないでしょうか。文字盤や針には大きく目立つようなダメージはなく、わずかに経年変化を感じさせる程度です。前述の「サントネール」の表記が入ったものと本商品のように特に何の表記もないタイプとでどのように分けていたのかは謎です。

搭載されるムーヴメントはごくオーソドックスな手巻き式といった印象ですが、ゼニスのクロノメーターなどと共通したカム式の微調整機構を備えている点が一番の特徴です。耐震機構「インカブロック」を備え、かなり直径が大きな天輪も特徴です。全体的に美しく仕上げられている点も見逃せません。センターセコンド仕様もあったようですが、本商品に搭載されるのはいわゆるスモールセコンド仕様。流通量の少ないモデルながら、コンディション良好なレアムーヴメントが魅力の一本です。