第二次世界大戦中のドイツ陸軍向けにドクサが製造した手巻きモデルをご紹介致します。ミリタリーウォッチとしてはスタンダードなルックスではありますが、文字盤外周にレイルウェイトラックがプリントされている点など、年代物らしい風情溢れる存在感たっぷりの一本です。

防水型のスクリュウバックケースはステンレススチール製。当時のドイツの軍用時計はコストを抑えたメッキ仕様のモデルがほとんどで、本商品のようにサビに強いSSケースを採用したものは種類が限られているため、なかなか貴重だと言えます。ケースは全体的にポリッシュされているので、完全なオリジナル性が保たれているわけではありませんが、本来のシェイプを崩すほどではありません。気になる文字盤は経年変化による多少の傷みがあるものの、艶のある塗装や数字の夜光部分も十分なコンディションをキープしています。

ムーヴメントは極めてシンプルな15石仕様の手巻き式が搭載されています。特別美しい仕上げではありませんが、質実剛健なミリタリーウォッチらしい作りだと言えそうです。本商品をはじめかつてのドイツ軍用には耐震機構が備わっているモデルが多い点が実に興味深く、ある種のこだわりが感じられます。ベルトの取り付け部分は固定式のバーになったタイプのため、NATOスタイルのレザーストラップを取り付けてみました。