現在は"Auguste Reymond"というブランドネームでお馴染ですが、かつては本商品の文字盤にプリントされている通り"ARSA"という表記で統一されていたようです。19世紀の創業ですから、ロレックスよりも古くて歴史あるブランドだと言えますが、高品質で比較的低価格なモデルを中心に製造していたようです。

｢ユニタス｣のネーミングでオーガスト・レイモンドが手掛けたムーヴメントは他のブランドにも供給され、現在もETAのもとで製造され続け、数多く採用されている事からその名前を耳にする機会も少なくありません。極めてシンプルな手巻き式ながら、鋭角的にデザインされたブリッジが特徴。大変個性的で存在感たっぷりです。

スワンネックなどの微調整機構を備えているわけではありませんが、特別に調整が施された仕様でしょうし、文字盤やケースバックに刻印された"Chronometre"の文字がどこか誇らしげに見えます。ケースに細かな使用傷があったり、スモールセコンドの3時位置周辺にはプリントが剥げている箇所もあり、それなりの使用感がありますが、その分お値段は抑えました。整備済みで、もちろん調子も良好。レアモデルながら、お手頃価格の一本です。