英国の時計ブランド「J.W.ベンソン」のシンプルな手巻きモデルをご紹介致します。懐中時計の世界ではなにかと評価が高い歴史ある同社の製品ですが、第二次世界大戦後の腕時計製造は他の時計メーカーの協力によって行われていました。いくつかのメーカーが製造していましたが、本商品はスミスが手がけたもので、個性的なローマンダイアルが特徴です。

非防水のスナップバックケースはメッキで裏蓋のみステンレススチールになったタイプ。メッキ仕様特有の腐食が目立つため決して美品とは言えませんが、その分価格は抑えてみました。気になる文字盤も経年変化によるダメージがありますが、年代物らしい雰囲気といった趣でまずまずの状態ではないでしょうか。ベルトの取り付け部分はバネ棒式ではないので、別注製作したブラウンのカーフのベルトをケースに直接縫い付ける形で装着しています。

手巻きのムーヴメントは同じく英国の時計メーカーであるスミスのものが搭載されています。通常スミスの製品では15石仕様ですが、本商品に搭載されるものは2番車に穴石を設ける事で16石になっていて、その分高級仕様になっている点が特徴。その他ブリッジに筆記体で描かれた表記など、スミス製でもJ.W.ベンソンで採用されるものは異なる作りになっていた点もポイントです。今回店頭に並べる際には当店で整備を済またところで、もちろん動作も良好。クラシックな雰囲気抜群の一本です。