ロンジンとの関係性が強い事でも知られるウィットナーですが、米国市場でのウィットナーはハミルトンやブローバなど、他の純粋なアメリカの時計メーカーとは異なる手法を取っていた事も特徴だと言えます。本商品はオシャレにデザインされたゴールドケースが魅力で、1950年代頃のアメリカンウォッチの流行が色濃く出たデザインが特徴ではないでしょうか。

一般的に「ファンシーラグ」と形容されるデコラティヴなラグのデザインは当時のアメリカのマーケットで人気の高かったスタイルのひとつ。上品さの中にどこか遊び心が感じられるデザインはかつてのアメリカの空気感を漂わせています。文字盤の中心に十字にクロスしたラインがプリントされていますが、それに合わせて通常より短くデザインされた針など、なかなか個性的なルックスです。

ケースは防水型のスクリュウバック。元来繊細なイメージの金ムクケースですが、実用性の高い仕様になっている点も見逃せません。搭載される自動巻きムーヴメントはスイスメイドの全回転式で、耐震装置「インカブロック」も備えています。使用に伴う多少の傷がありますが、全体的に十分なオリジナル性とともに本来のシャープな状態を保っています。鮮やかなエメラルドグリーンのクロコダイルベルトを取り付けましたが、本商品のようなモデルは様々な素材や色との相性が良く、ベルトを付け替える楽しみも味わえる一本だと言えそうです。